CBTで統計検定を受けてきた(自分の対策と適当な感想)

自分の場合は、範囲の一部は、ここ3年ぐらい何かの形で授業をしたり試験に出題したりしているところである。また、単位を取るためにも何回か一夜漬けもしている範囲である。よって、抜けてるとこを確認するとこが中心なので、対策記事は書けない。

まあ、自分はこんなひどいレベルですからね。。。。

  • (1年に1回解く数Bの問題で) 1.96 \times \sqrt{p(1-p)/n} の式が思い出せずに慌てる。(手元ではきれいに数式でないことがあるけどもういい・・・困るな)
  • カイ二乗の統計検定量を作る時、各項を元の度数で割るのか期待度数で割るのかを良く忘れる。
  • 分散分析について書かれている部分をともに読んだことがない。 (経済だと回帰分析中心ですからね)
  • 自由度どうすれば良かったんだったっけ?
  • 数表、何それ?数表覚える前にRを覚えてしまったので・・・

など。

使った本は悪評高い本

使った本は、石井さんの書いた「大学の統計学」。最近出た本で、図表がひどいからとディスられていた本。ただ、便利なものは便利なので使った。

基本的には過去問を解いて、わかってないとことか間違ったとこを中心に読んだり解いたりするような使い方をした。なので、別にその図表の部分がどうこうや著者の主張の信頼性とかは全く関係ない使い方。

暗記を式変形で代替する人に合っていた本

この本は、わりかしいろんな導出を丁寧に書いてくれている。自分の場合、式変形はそこそこできるけど暗記は苦手という状況。よって、勉強は暗記を式変形で代替する方法を検討することが中心になる。

例えば、母比率の検定の中に[:tex p(1-p)]の項が入ってくるのは、二項分布の分散の式の名残なんだから当たり前。nをかけるか割るか迷うけど、その場で導出できるなら覚えなくてよさそうだ。そして、手を動かして確認してここは導けば良いので暗記不要、とかして暗記量を減らしていくスタイルである。

あとは、nが大きくなったら信頼区間は狭まらないといけないはずだから、狭くなる方向のほうにnがつくとかで確認すれば良いとか確認したりとか。

そして、逆説的だが、こことここはこうつながってるから導き方だけ覚えれば十分、の検討をしている過程の中で、自然に暗記も終わってしまうスタイルでもある。

こういう勉強をするときに、普通の数学の本を使うと、式変形を考えるのに時間を取られてしまうので困る。かといって、全部暗記の本だとそれはそれで式変形がまったくないので暗記できない。この本は、その中間どころなのでうまくはまった。

ハイパーできる人とものすごくできない人の中間の本はなかなかない

この手の統計本は、偏差値50前後(全部暗記)と偏差値65以上(事実を厳密に書いておけばあとは全部自分で埋める)には良い本が色々あるが、その中間の本がないんですよね・・・・

他の候補としては、大屋先生の書いた統計学入門もある。自分は、これを使っていたこともあった。スキャンしてる本をもう一度書い直すのも腹がたつのと、もう少し難易度の高い本があれば良い、ということで今回は使わなかった。純粋な初学者ならこれを勧めると思う。(若い頃に、この本を使って試験当日に2時間ぐらいで詰め込んだことがある。あまりの使いやすさに感動した記憶がある。)

どうでも良い雑感

全部真面目に対策しようとしない

図表の読み取りなんて、この検定オリジナルの問題である。いじわるひっかけの親戚もあったりする。

まず、この手の問題は、テキスト何十回読んでも意味がない。強いていうなら過去問をやりこむぐらい。それで取れなければ、打つ手はない。センスがないということで仕方がない。

そして、たいていの人は、この部分をほぼ無対策でいって0になることはない。逆に0になる人は対策時間をかけることが必要だが。

あとは、高校1年のレベル(数A)の確率の問題も対策してもあまり意味がない。解ける人はほとんど対策せずに解ける。逆に解けない人は少々やっても解けない。特に、少しひねった問題が出たら(そして出やすい)対策は水の泡である。

高校レベルの確率の問題が解けるかは、大学受験のときに培ったものに依存する。その蓄積がない人が、今皿やり直すのはコスパが悪い。この手の確率は(コンピュータソフトで統計をやる分には)後にもつながらないですかね。。。。

出題が予想される全範囲はきちんとやる必要がある

この検定の2級、分野ごとの問題の難易度が安定しないイメージがある。よって、「この分野で点を取る」という目算はできない。

ここ2回〜3回は、ほとんどが素直な問題になっているが、それより前は、え?頭使わせるわけ?って問題がいくつかある。

もし「ここだけで点を取る」と決めていた分野が、その面倒な問題にあたったらどうしようもない。面倒な分野が一定ならいいが、ランダムに感じる。なので、事前には手のうちようがない。

条件付き確率の問題はスパッとハマると取りやすい。

単純にベイズの定理を使う類の問題は、対策の有無で相当に解く時間がわかれる。ただし、素直な問題が出た場合に限るが。

この手の問題を解くコツは、ベイズの定理など知らないと言い切ってしまうことがある。

苦手な人用の解法は、全体を1000とか適当に仮定して、期待値をばらばらと計算してから、期待値の比率を取るという方法が第一候補。マークであること、確率は少数で与えられることが多いことからこれが有効。

普通に解くとしても、小数の入った式など書く必要はない。確率をもっとも簡単な比にしておいてから式を作ってさっさと計算である。比率によっては式すらなく解ける。

(という授業を、昔したこともある。。。)

変わった出題がしにくいのは後半の部分

検定の部分は、ほぼ各種教科書通りに出すしかないところである。

ただし、暗記ゲーなので、暗記していなかったらそれまでである。「真面目に対策して」受かりたい人は、ここをきちんとやるべきである。

ただし、往々にして「真面目に対策して」の人は、「式を覚えて手順通りに実行(あるいは正しい式を選ぶ)」こと自体が苦痛だと思われる。「真面目に対策」する人は数学力が低いことが多いと考えられるからである。

しかし、覚えるのがつらいからといっても、数学力がない以上、図表や確率のダメさを根治するのはコスパが悪い。あきらめて暗記ゲーに勤しむしかない。

なお、検定と回帰の部分の配点は合わせて半分ぐらいと思われる(スコアレポートから推測)。

単に資格を取るだけか長期モードで残そうとするのか

資格を取るだけなら、詰め込みが有効である。1週間ぐらいは他に何もいれずに詰め込めば良い。ただ、それだと忘れる。

なお、たとえ、長期間勉強するモードであったとしても、塗る回数を増やして暗記するモードは「資格試験をとるため」とほぼ同等とみなせる。そういう勉強も忘れやすい。

どういうスタンスでやるかで使うテキストや勉強法も変わってきそう。なので、この検定の勉強法の情報をあさる時も、これ個人差が大きいよな、感じながら、いろんな対策エントリを読んでた。

知らないこともいろいろ触れられて良かった

コレログラムとかは使ったことなかったので、へーっと思ったり、色々と発見はあった。

なんだかんだいって、試験自体は良くできてる試験じゃないのかなとは思う。