勉強して受ける応用情報の午後選択(6) システムーアーキテクチャを他分野を理解するツールとして使う

今,重症患者向けに,セキュリティをやるにはセキュリティだけでは,みたいな記事を書こうとしていろいろ考えてる。

基礎が大事といっても,全分野とかやってたら挫折する。濃淡は付けないといけない。

そういう考察をする中で,システムアーキテクチャは,色々なところで使う感覚の基本になるのではないのかということ感じている。セキュリティ・ネットワーク・データベースを3つとも勉強する人にとっては,これは実際に選択しなくても過去問だけは解いておく価値がありそうだと。一言でいうと,学習素材としての質が高いと。

総合格闘技状態

システムアーキテクチャは大昔は回線計算・稼働率待ち行列あたりの取りやすい問題だったと思う。待ち行列の公式だけ頑張って直前に覚えるとして,後はそこそこの数学力と読み取り力があれば点数をくれるありがたい問題。しかし,最近は様相が一変していて,なんでもありの総合格闘技の問題になってきているような気がする。

R2では,それは問1では?なセキュリティの問題まで混ざっていた。NoSQLなどは,データベース側でなくこの問で扱われているようである。アーキテクチャの選定に必要な知識だろうし,範囲を読むと新技術全般なので間違ってはない。

定性問題だと,ストラテジの(情報戦略のごく一部)・サビマネ・プロマネのごく一部の視点も必要(国語風)なこともありそう。

しかもそこに傾向は全くない。

システム開発の選択にも相通じるところがあるが,この2つはある意味なんでもあり出題である。なんでもあり出題なので,自分にとってはまると当然簡単な問題である。よって,その場で取るか決めれば良いというのが普通の意見である。

しかし,問題文を読めば読むほど,勉強段階ではこの過去問を学習素材として使うには良い問題なのでは?と感じだした。

他分野に波及させる勉強素材として使う

一言でいうと,この分野の過去問を解くことで

  1. 他で使う共通のスキルを鍛えること
  2. 他の分野で出てくることの知識の補充
  3. 各分野の知識を違う角度(統合された角度から見ること)による知識の定着

あたりを図ろうということである。

分野横断型の問題でNW・DBなどを含む知識を入れる素材

この問題,色々なことを聞いてくるだけあって,解くことで色々なことが頭に入る。

本番で解く側からするとやってられるかなのだが,勉強段階であれば逆にありがたいとも考えられる。一度に色々なことを身に付ける素材として活用すれば良い。

傾向がないということも,知識を身に付ける素材として使う立場から見ると好ましいと言える。毎回違う知識を身に付けることができるのだから。

それぞれの分野の問題と同じ素材を違う角度で見ることにもなるので,知識の定着にもなる。

ネットワーク・セキュリティで必要なサーバとサーバのつながり感覚を身に付ける素材

セキュリティの午後の問題を解くとき,置いてあるサーバがどんな感じでつながってるかがしっくりきてると,問題状況の把握が楽だったり問題が解きやすかったりする。問題文や図をみたときに,これはこのサーバとこのサーバがこんな感じでつながってて,だったら,たぶんここを答えさせようとしてるのだろう,みたいなのが見えやすくなる。

応用情報の午後のシステムアーキテクチャは,サーバの間がどういう感じでつながってるかというのを,問題文から読み取り,それをベースにして問題を解いていく感じになることが多い。この読み取りのスキルは,ネットワークやセキュリティを解くときも同じ感覚を使ってるような気がする。

また,ここで見た構成のパターンそのものも,他の分野の問題文読み取りのための知識として使えるとも言える。

紙で身に付けにくい「流れ」を問題を通じて身に付ける

サーバ間のつながりとかなんとなくの流れは,知識が順番に並んだ紙の本では身に付けににくい。過去問を大量に見ているうちに身に付く人もいるが,それはセンス・経験依存だと思う。もっとも,センスがある・アプリを作ったり実務を経験したりするなどの人は,これを勉強レスで何らかの形で身に付けてると思う。

しかし,そうでない人は,ここは紙の本だと身につけにくいところである。他の分野の過去問大量でも行けるのだが,「つながり」だけを要素にしていないので,そういう部分が見えにくかったりする。だったら,システムアーキテクチャの問題を教材にして,こういう典型的なサーバ同士のつながり感覚を身に着ける,ということができるのではないのかと思う。

(付録)

ハイリスクハイリターン

センス + 理系力でその場で高得点が取れることも

自分は16点時代にシステムアーキテクチャの問題にお世話になった。当時の新傾向問題・難問とされる問題を解き切って,この貯金で合格した。世間では,当時の定番ではないためか難しかったらしい。しかし,無勉強の私からすると何それ?である。公式知らなくても解けるし,かつ周囲も解けないなんてなんてありがたい問題なんだ(記述の部分点が甘くなる効果を期待),っていった感じ。

見ていると,読み取りで高得点が取れる回もそれなりにある。ただ,そこそこの一般教養は前提になるけど。

難易度の分散も大きい

ありえないぐらい難しい回がある。しかも,そいう問題に簡単設問が用意されてないとか。

個人的には,H30の秋の問題はすごいという印象。だいたい,簡単目と思われる設問も色々とパニックになった。ここ回帰分析とか意味わからなくても読めるけど読みにくくない?となったり。さらに最後の計算問題も?って感じで・・・なんとか考えて必死に解答らしきものにたどりつき,そしてlogの値を評価したのにその解答か・・・・みたいな。あとは,解く前にたまたまちらっと答えが目に入たため(別の演習の解答見た時に)自力では解いていないが,ノーヒントでSPOFとか,それネットワークスペシャリストの問題の単語の穴埋めレベルでは?と唖然としたり。

LinuCのレベル2でもシステムアーキテクチャは,昔これネットワークスペシャリストでやったよな感がある感じで踏み込んでたり。世間での常識のラインが昔よりかなり高まってるのかな。。。ただ,教科書の改訂が追い付いてない。。。というかたぶんもう入れ込めない。構造的に。

テクノロジの問題,解けば解くほど,マネジメントに逃げたくなる世間の気持ちへの共感は強くなってくることは否定できない。

解いてて楽しい

今もだが,システムアーキテクチャの問題は普通に解いてて楽しい。教科書を真面目に読んでると何の面白みもないが,これを解いていると普通に楽しいウ。これは,組み込みを解いてて楽しい人と感覚は似てるかもしれない。

ネットワークスペシャリストはここも範囲に近い

明示的に範囲になっているわけではないが,テイストが近い問題があるって感じ。