勉強して受ける応用情報の午後選択(3) パー寄りのボギーで安定できる問題の価値

前回,選択をする予定にするにも関わらず,2点程度の失点を許容する分野を作る,と書いた。多くの人は,5~6割では選択をすることの意味がないと考える。しかし,(少ない労力で)ボギー寄りのパーで1題が消化できたと考えれば,それなりのメリットはある。

特に,どんな問題がきても5割~6割というのが1~2題あれば,かなり気楽になる。

こういう問題については,少ない負荷で1題の問題が消化できると考えるのである。それによって,

  1. くじをシンプルにすることによる認知負荷の減少
  2. 不慣れな問題を解くことによる消耗の減少
  3. 1, 2.で得た時間・集中力を勝負すべきところに集中投入

ということを狙って利益を得ると考える。特に10点で良いと割り切れば,時間・集中力は大幅に節約できる。そうすると,投入すべきとこに時間と集中力をより注げるようになる。

これは,言い換えると,確実に10点が取れる問題によって2点の失点を払い,その対価としてガチャの不確実度を減らして様々な余裕を買おうということである。そして,その買った余裕で他の部分で良い点数を取ろういとう作戦である。 (この考え方って業界人以外不自然なのかな。。。。)

以上で自明な人には自明なのだが,以下でいちおうだらだらとは説明してみる。

1. くじをシンプルにする

くじを引くといっても,10題から4題引けと言われると,選択するだけで大変である。しかし,選択する問題数を減らせば何を選択するという問題はシンプルになり,かつ消耗も防げる。

例えば,選択問題が8題から2題のくじであったとしよう。これは得意分野以外についてはくじを引くという多くの人の発想だと思う。この状態と,追加で1題確実に10点取れる問題がある,という状態を比較する。すると,

  1. 8→2で,合計24点を取る。
  2. 7→1で,合計14点を取る。

の比較となる。私は後者の方が楽なくじだと主張しているのである。

問題選択の認知リソース

言うまでもないことだが,問題は読まないと選択できない。だいたい,(勉強していない分野の)くじ引きなど,読むことそれ自体でエネルギーを大きく消耗する。

14点取れそうな問題が時間をかけずに3題ぐらい発見できるなら良い。しかし,これはなかなか難しい。実際は,14点取れそうな問題を1題見つけた上で,12点ぐらい取れる問題をもう1題みつけることになる。この2つ目の発見が相当てこずると思う。

実際は,残りの得点状況も見ながら,得点の期待値と分散の両方を考えての選択になる。例えば,得意分野で取れてそうなら,基礎票が取れそうな問題を選ぶし,そうでなければリスクは高いが高得点が取れそうな問題を選ぶ,などという要素が絡むということである。こんな面倒な選択を試験中に2題もやってられるか,という話である。

また,1題選択と2題選択では読む量が違う。1題選択なら,まあいいや,でだいたい良さそうなところで探索を打ち切ることなどもできるので読む量は知れているが,2題の場合はそうはしにくい。

2. 不慣れな分野を解くことによる消耗を減らす

わかっていない分野は,たとえ点数が取れる良いくじが引けたとしても解く段階で非常に消耗する。結局,問題文からその場で学習しているようなものなので,そうなりがちである。

1題ぐらいはそういうことをやっても大丈夫だが,2題3題とやっていると色々と影響が出てきそうである。他の基本問題の精度が甘くなるとかがあってもおかしくはない。

3. 節約した集中力・時間を集中投入

くじ引きの2つの側面

勉強をそれなりにしていった場合,問題くじには2つの側面がある。もう1つは勉強していった分野の予想より高得点のくじ。これは勉強をしてなかったら引けなかったくじである。

もう1つは,純粋に残り1題の良い問題を選ぶためのくじ引きの大会への参加である。これが世間で言われているところのくじ引きである。このくじ引きをいくつもしてたら,それこそ運になる。

1問を合格ラインマイナス2点で確実に消化することで,この両方のくじの難易度を下げようとしているのである。

1題に時間と集中力を注ぐなら点数はそれなりに取れることもある

得意分野のくじについては,言うまでもない。時間と集中力かあれば勝率は自然と高まる。高得点くじもそうだし,基本問題を落とさない方向に時間を投入して点数を高めることもできる。

一方の問題くじについていえば,時間を投入することで取れる分野を選ぶということができる。

例えば国語系問題は節約した時間を投入すれば点が取りやすい。また,システムアーキテクチャや組み込みは,問題によっては時間を湯水のように投入すれば解きやすく,かつ,14点ぐらい取れる可能性はないこともない。システムアーキテクチャや組み込みの計算問題は,10分ぐらいかけて5回ぐらい検算するとか,色々な角度から検算するとかをするかで,正答に至る確率は大きく変わることがある。組み込みも時間をかけているうちに流れがつかめてくる,というのは十分にありえる。

アルゴリズムも同様のことが言えるが,これは外した場合の0リスクがあるので私はお勧めしない。余裕がものすごくあるときと追い詰められたときだけは別。)