勉強して受ける応用情報の午後選択(1) 高得点ガチャに期待せず10・12・14点を地道に組み合わせる

最近のマネジメント推しの問題選択ばかりの記事にいらっときてるので,反対の記事を書いてみたくなった。

非常手段としてマネジメントはわかる。自分もそうやって受かった。よって,非常手段として推すのは良い。ただ,最近メインストリーム理系風の人までそういうのお勧めといってる感じも出てきて,いやそれは理系として恥ずかしくないの?と思ったりしたので。

設問単位で難易度を考えよう!

色々な問題選択記事で,簡単・難しいという表現が出てくる。このとき,この簡単・難しいが「何点を取ろうとする立場から簡単で何点を取ろうとする立場から難しいか」ということを意味してるのかで議論は全く変わってくる。

だいたいの人は,解けた感のある14~20点を取るのが簡単かどうかで問題の議論をしている。しかし,ここに8~10点取るなら簡単,という概念も加えて考えよう,というのがここでの提案である。配点非公表なのであくまで推測だが。(以下全部同じ注意)

難易度についての主観的観測

主観的観測で言えば,

  • 16点時代の昔の問題は中難度の問題がフラットに並んでる
  • 今の問題は簡単な設問はものすごく簡単(下手をすれば午前より)・そのかわり難しい設問もある

といったイメージである。よって,

  • 6点取るのはこれで良いの?な簡単さ(ただし午前の知識プラスぐらいの知識がある前提)
  • 12点ぐらいまでは勉強してればまあ取れる
  • そこから先が異常に伸ばしにくい

といったイメージである。16点取るのは難しいが,8点取るのは簡単,みたいな問題は確かに存在する。

確かに昔の傾向なら,良い問題を引くかどうかは重要だったかもしれない。しかし,今の傾向ではまず壊滅をしない,その上でいくつか少しだけ良い点を狙う,というのが現実的だと思う。

多少似た専門家のお言葉

専門家も少し似たことを書いてる。iTEC午後重点では,最近の問題は得意でも14~16を前提としたいと。なぜなら,最後の1問は難しいので20点近くを計算するのは怖いからと。そして,これに基づいて,7~8割が3分野・5~6割が3分野あれば手堅いと書いてある。ここで書くことは,これをもう少し意識低い系にした感じのことになる。

R1秋 問4のネットワークを例に考える

例えば,R1の秋のHTTP2の問題はHTTP2の知識が全くないから取れないとの声をみた。

確かに,その場力が低い人には高得点は取りにくいと思う。しかし,この問題,半分ぐらいなら無理なく取れるのではないかと思う。

神のような選択肢問題

例えば選択肢問題を見ると

  • b: HTTPSは443番ポート(実質的な選択肢は25, 110, 443)
  • c,d,e : SYN → SYN/ACK→ACK

という問題がある。この問題など,試験開始5分もたたないうちに,労力0で4つ解答が埋まったも同然である。高度だったら書けと言われても(SYN/ACKを書く午後穴埋めが昔あったと思う)文句は言えない問題である。

b,c,d,eの予想配点はわからない。全部1点とか,c,d,eは完答2とかで配点されるとかして,これで全部で4点とか言われると厳しい。ただ,全体の設問数を考えると6~8点ぐらいはくれると期待しても良いのではないか。仮に8点という神のようなケース(まあ普通は予備校は2*4を予想すると思うが),マネジメントでやっとの思いで問題読んで8点取るより,よほど楽に8点が取れる。

中難度の問題とはいえどれか1問~2問は

そして,

  • その直下の設問3の図から読み取る問題も,わりと簡単。
  • 1aのソケットの4択は,ちょっと古い感じの用語でLinux慣れとかしていないと出ないかもしれない(IPA試験とかでは聞かない。)。プロセスもありえると少し私は迷ったが(でもより汎用的で妥当そうなのはソケットだろうと選ぶ感じ。残りのIPアドレス・ポートはさすがに消せる。)。
  • 最後の設問も,基本的なフローがわかってれば楽。
記述は面倒かもだがそれはHTTP2だからでなくHTTPが普通にわかってるか

残りの2つ,25字説明・ 20字説明は,確かに読み取り力・少しの知識・記述力がないと完全解答は書けないと思う。知識は,あくまでHTTP2を知ってるかではなくHTTPの基本がわかってるの知識だが。まあ,それでもできる人からすると普通と言われればそうだが,そういう人は読者対象ではない。

変な傾斜がかかってないとすると

2つの記述問題がそれぞれ配点4で合計8点とか,そのレベルの傾斜配点がかかっていないとする。すると,b,c,d,eの穴埋め + ソケット・図の読み取り・フローの読み取りどれか1題~2題。これで4割~5割は期待して良いと思う。これならあまり労力をかけずに取れるのではないかと思う。

教訓

この問題から得るべき教訓は

  1. 初見に見える問題こそ基礎部分でサービス問題を用意していくれている
  2. 初見問題は基礎+問題文読み取り能力を試している問題
  3. 大稼ぎを期待していくのは厳しい

である。1., 2.は高度では常識だと思うが,応用情報だとそういう話はあまりかと。

テクノロジ問題は高得点問題でなく時間節約・安定問題として考える

従来,テクノロジ問題は勉強に時間はかかるが高得点で安定する,ということが良く言われていた。確かに16点時代の問題はそうである。しかし,そのメリットは少し消えた感がある。12点から先を伸ばすのは少し難しくなってると思う。

勉強しないで取れるマネジメントならともかく、勉強しないと土俵にすら立てないテクノロジに厳しい点数の上限制約がかかるのはひどい話だと思う。そして、マネジメントの方が下手したら取り切れるので良い,という回もあることは否定できない。この状況では,世間のマネジメント推しに対しては全く反論はできない。

しかし,それに乗って,だからマネジメントに逃げましょう,にするのか。そう考えないから記事を書いてるのである。

一言でいうと,テクノロジを取る限りは凡人は14点上限を受け入れましょうと。その代わり,神経ゼロで8点ぐらいは取って,マネジメントと比べて消耗させずに10~14点を取る対象にしましょうという考えである。あとは,10回やって10回その点数を取れる安定感・安心感も買いましょうと。

そして,1題ぐらいは皆と同じガチャに参加しても良いでしょうと。そのガチャについては,省エネ・安定で残した余力で全力で問題を選択して,全力で問題を解き切りましょうと。よって,テクノロジを使うことと,(マネジメントで)良い問題を引く,という戦略は実は矛盾していない。

以上を踏まえた得点戦略

以上を具体化すると,

  • 攻撃の分野(ものすごく勉強していく) : 12+14+14
  • 守備の分野(ちょっと見るだけ勉強・その日のフィーリング) : 10+10

といった得点計画になる。

なお,こういう考え方にすると,守備にも1題テクノロジを使うという考え方ができるようになる。なお,勉強することは当然前提なので,そこは注意しておく。何もせずに運で受かる記事は世間で色々あるので,わざわざここには書かない。

2分野まで10点は取れる

多くの場合,わかる問題で14~16点ぐらいを3題引いて,残りで6~8点ずつぐらいのイメージで書かれてる。しかし,ここまでで触れたように14点から先は難しいのである。人間なのでミスも勘定に入れておかないとならない。

そこで,守備の分野で省エネで確実に8~10を取ることが重要になってくる。練習のときも,攻めない分野は8~10を取れてるかだけを考えて演習する。全分野14点(すなわち20点近く取るつもりでの14点計算)をやっていたら,それはさすがに破綻する。

必答セキュリティは12~14点で安定の分野に入れる

これは必答なので必然である。

あとは,セキュリティは努力に成果を比例させやすいということもある。

残りの分野

問題は残り4問をどう2問・2問にわけるかである。(予備はないとして)

守備の分野の2題のうち,1題は当日の問題ガチャとやっても良いが,さすがに2題は問題ガチャをやりたくない。

そのあたりを踏まえて,どう選択するかを考えて行きたい。

(付録)主観としてマネジメント推しの気持ちはわかる

ここ数回の問題と昔の問題を比べているが,やはりテクノロジが取りにくくなった印象しかないのも事実である。え,これ高度の本で勉強しただろ?があったり。

テクノロジはどんどん範囲が拡大していくし(そしてテキストは当然追えず),難しくもなっていくのに比べて,マネジメントはそんなに変わらない。不平等感は否めない。

仮にテクノロジとマネジメントの平均点を合わせるつもりの作問をされてて,この傾向によってテクノロジが優秀層しかいなり,そしてさらに難易度上昇が加速,とかだったらやってられないなとは思っている。