LinuCの202はネットワークに対する土地勘があるかどうかで相当労力が変わる

ここのところLinuCの202の対策を進めてる。

この試験,暗記が大変と言われている。その通りで鬱になってる。ただ,暗記に持ち込む以前の部分も大変な部分があると思った。この試験,ネットワークの常識ない人はそもそも暗記に持ち込む前に疲弊する。

ネットワーク・セキュリティの一般論に関連する部分が少なくとも半分

Ver10.0のウェイトで行くと,DNS(9/60)・Webサーバ(11/60)・メールサーバ(5/60)・セキュリティ(12/60)あたりは(数値は重要度・ほぼ問題数と思って良い),大元の話がわかってないと相当につらいと思う。以上で重要度が32/60なので,ネットワークの上の話だけでほぼ半分の量である。

DNSもWebサーバもメールサーバも暗号化設定が含まれてるので(そして当然SSHOpenVPNも),最低PKIの簡単なとこはわかってる必要はある。

こういった話がクリアできてる人は,全体で何をしようとしているかはざっと読み流せばわかる。そして,(仕組みなどだいたいの話がわかってるので)使うときに調べればわかるような細かい項目をなぜ暗記させるのか?と怒りつつ暗記をすることになる。

これに対して,流れがわからない人からすると,まず本が何言ってるかわからない可能性がある。その上に,単純に設定とか単語の数が多いので,つらいということになる。要は,森を知らない状態でひたすら木のマニアックな名前を覚えろ,といった感じになる。

新設のシステムアーキテクチャも常識問題

新設のシステムアーキテクチャなんかも,これまた応用情報の午後(午前でも十分か)をやってれば一般常識の話が3割ぐらいあるような気がする。ネットワークの午後をやってると常識で知らないといけないことで,RPO, RTO, SPoF, DNSラウンドロビンという単語とか,昔やったなって感じ。(穴埋め問題の解答になったこともあるはず)

結局この試験は午後の問題のを実機で設定するには?という試験

結局,202の全体の印象をおおばっぱにまとめると,FEやAP(SC・SA・NW)やSC・NWの午後の図に出てくる機械の一つ一つを,具体的にLinuxで設定して動かすにはどうすればいいんですか?ということ確認する試験なんですね,ということになる。背景わかる人からするとあそこで出てくるあの話を具体的にこう設定しようとしてるのね,という理解になる。しかし,背景わからない人からすると大量にわけわからないものが出てきてやってられるかになる。

ということで,202だけ毛色がものすごく違う。Linuxの外の背景の知識として求められている知識の量が他と違いすぎる。もちろん,暗記力があればだいたいなんとなくこんな感じ,で覚えてしまえるんだけど。

自力で調べざるを得ないので基礎知識が必要になる

教材は,全て古くに作られたものを改定に合わせてつぎはぎしながら作られているものである。もはや,いたるところで矛盾と破綻をおこしている。すなわち範囲と合っていない。

もちろんこれを無視して全部暗記で外れたとこはごめんなさいなら,そうすれば良い。ただ,丸暗記の物量ダメな人はそんなことしたくないので,自分で教科書を補足しなおすことになる。

となると,自分でドキュメントを調べるしかない。そういう調査って,ネットワークわかってない状態でやるのはかなり厳しいと思う。手を動かせばなんとかなるという人もいるが,もはやこの範囲はそんな分量ではない。それなりに文書から必要な情報を読み取れない調査が追い付かない。

あずき本は4.5の時点で一部がカバーできてない(改定に対応していない)との個人の記事があり,確かにそうだという裏もあった。

過去の試験範囲を見ると,確かにこれは過去の範囲ではそうだったんだろうな,というのにかなりひきずられており,現在と違うよね,はある。

業界外のフツーの人は信じる情報に注意しよう

202の勉強法を読むときは

  • その書き手はネットワークに詳しい人ではないですか?
  • その書き手の暗記力や苦痛に耐える力か非常に高くないか?
  • その書き手は頭の良すぎる人ではないか?

を意識して読んだ方が良い。特に,自分がどれにもあてはまらない場合,その体験記の自分への適用可能性は慎重に検討したほうが良い。

特にネットワークに詳しい人の書くことには要注意である。そういう人は,ネットワークの基礎知識は太陽は東から出てくるレベルのことだと思ってて,知識とすら思ってない。よって,勉強の必然性すら頭に思い浮かばない。そういう人が書いた体験談は「思ったより簡単」「暗記すれは大丈夫~」とかになりがちなので注意である。

私はネットワーク知らない頃にやったら挫折したと思う

自分の場合はネットワークをそこそこ知る前にこの試験をやってたら,インプットの効率が悪くて早期投げ出しをした可能性は高い。202のいろんなソフトのイントロの仕組みの部分の説明は,慣れてない人には何書いてるかわかりにくい。

例えば,あずき本は必要な前提知識を最初に必要十分に書いてる。ただ,その書き方は,経験とか具体のストックがないとイメージしにくいのではないかと思う。私の場合は,一読目ではわかるけどもやっとするな,ということが多かった。手を止めて手元の支援士の参考書とかネット検索をして確認をしてから,うん,となったことが何度もあった。

この資格をITに親しみのない人が努力で取ろうということはまずないと思うけど,もしそういう人がいて勉強が進まないようなら,まず前提知識の補充を考えた方が良いと思う。何をどこまでやるのが良いかはわからないけど。

本で知識を補充する選択肢が意外とない

探せばあるんだろうけど・・・って感じ。

何が難しいかって,知識じゃなくて雰囲気をちゃんといれられるかどうかなので。

前提知識を補充するのは,「仕組み:常識・操作:暗記」の状態を作り,スムーズに暗記を進めるため。よって,知識でなく雰囲気を頭に入れる必要があるんだけど,読むことで雰囲気身に着けるって難しいですからね・・・