LinuC レベル1 (Ver10.0)を勉強して思ったことをつらつら並べた

少し前にとりあえず片付けてきた。散文的にあたりさわりのない感想を書いておく。

基本,試験については書けないので勉強について簡単に書く。

こんな隅をついてる面倒な試験はさっさと終わらせたい。そのためには暗記量を減らす必要があるので,勉強についてはそれなりに考えた。

この文章は101の受験後にほぼ書き上げてから,102の受験後に微修正した。よって,101の印象に引きずられている面はある。

あと,今202やってるけど,2になると別試験って感じがある。

目次

  1. 新試験か旧試験か?
  2. 弱いものだけと戦う
  3. あずき本
  4. ping-t
  5. 演習の代わりにやったこと
  6. 101の受験時に深さを確認しておく

1. 新試験か旧試験か

以下の理由で新試験にした。シラバスベースの傾向で出題してくれるという前提の話。

  • 新試験で増えた範囲はを勉強するのは苦でない,かつ,軽い勉強で合格ラインに持っていけそう。
  • 新試験は,普通のユーザー経験で理解しやすい範囲が増えた。
  • 新試験のシラバスの方が,シラバスが読みやすそう。

2.弱いものとだけと戦う

この試験の対策,最も大切なことは弱い者いじめの徹底である。要は,全範囲の簡単問題をどうやったらこぼさないかを考えるということである。

CBTなので,事前にどこから難問が出るかは読めない。もし,分野別の仕上げに極端な差がある状態で試験に行くと,得意な分野で難問難問・苦手な分野で簡単な問題,という展開になったときに落ちてしまう。

これを防ぐには,全分野簡単な問題ではミスをしないように確実に仕上げておく必要がある。

全体像を早い段階で把握する

全体の基本部分をまず早い段階で押さえたうえで,そこは早い段階から繰り返し塗っておきたい。私は,早い段階で全体像をつかむために,今回も勉強の始めにシラバスの項目(ほぼあずき本の目次)と重要度を暗記した。

超基本のコマンド問題もありえる

コマンド問題対策は捨てるとか最後で良いという考え方は危険。下手な選択肢問題よりコマンドやパス・ファイルの位置を聞かれる方が簡単というケースは十分にありえる。

3. あずき本

あずき本は本当に良くできていると思った。

この本に色々批判があるのもわかるが,この資格に対するマーケットの大きさとか商業出版という現実の中では,よくやっているほうだと思うのが私の印象。

隅から隅まで読みたい

  • あずき本を「全部頭にいれるべきこと」と感じるかは人それぞれ。私の初読の感想は「こんなの全部覚えてられるか!」。
  • シラバスを読み込むと,この本は全てのコンテンツを使い切ることで試験範囲をカバーしている,という印象に変化した。この量で「試験範囲の要約集」という感想。(ping-tの問題量の量と比較してもわかる)
  • あずき本を全部頭に入れることにするとして,問題は,この量を「繰り返し読む」「単純な一問一答の反復」「実機で動かす」といった単純な方法で短期間で頭に入れるのは,暗記か苦手な人(私)にはしんどい。工夫が必要だった。

演習問題は良い

  • 章末問題は軽くてポイントをついた良い問題だと思う。よって,軽く一読したらすぐに章末問題は解くべき。
  • 問題・模擬試験の質は高い。ただ問題と解説がカバーしているトピックの量が足らない。これを補完する必要がある。
  • 問題がカバーしていない部分については,問題化されているものの傾向を参考にして自分で教科書本文を使ってなんとかするしかない。ただ,問題と模擬問題は良くできているため,これはそんなに難しいことではないとは思う。
  • 問題化されていない部分を自分でなんとかするのが難しいと感じるなら,網羅系のping-tで問題演習をするのが良い(が時間はかかる)。
  • 102は,早めに模試を眺めながら本文を読んでおきたい。101と比べると章末問題による内容のカバー量が少ないので。

あずき本とシラバスは補完的

シラバスは確実に信じられる公式情報。理事長インタビューでも気を使って改定したと言っている。自分は公式を信じた。何かを信じないとやってられない。

  • あずき本は「技術の説明→・・ができる」の順の説明に近く,シラバスは「‥ができる→おさえておくべき技術・キーワード」といった感じ。そのため,両者は補完的に使える。
  • あずき本にさらっと書かれてるコマンドの出力例とか設定ファイル例は,さらっと読みがちである。しかし,シラバスと突き合わせると「・・・ができる」と書かれていることそのものであり,重要であることがわかる。

4. ping-t

私はping-tをそのまま使えない体質の人だから苦労した。私のPing-tの使い方としては

  • あずき本をざっと読んだ後で,全問問題だけを斜め読みしてどうあずき本を読み込むべきかの指針を決める
  • 細かく確認したいとこだけざっと解く(復習とかもほとんどしない)

みたいな使い方をした。たぶん1試験につき総使用時間1時間~2時間。

こういう適当な使い方にも関わらず,ping-tで少なくとも1割は得したとか,数日単位で勉強時間が減ったという実感はある。

5. 演習の代わりにやったこと

基本の勉強は,教科書の白紙再現に取った。何も見ずに知っていることや出題されそうなポイントを白紙に書きつけていって,あずき本と突き合わせて赤入れする,という繰り返し。理解度とか調子に応じて,再現の解像度を変えながら繰り返した。普通はここまでやる必要はないが,既存の演習の質・量に不満があることや,細かく重箱まで聞かれることを考えてこの方法にした。

あとは,シラバスを読み込んであずき本と突き合わせた。シラバスとあずき本に微妙な差を感じた部分については,ネット・man・実機で調べて確認。もっとも,調べて理解ができたとこであずき本を読み直すと,隅にきちんと書かれていたということも良くあったが。

6.101の受験時に深さを確認する

コマンドをどこまで聞かれるのか,オプションをどこまで聞かれるのか,どういう聞き方をされるのか?シラバスはどこまで信じて良いのか?といったことは,1回試験を受けるとよくわかる。

問の深さがわかれば教科書の読み方や追加で調べるべきことがわかる。問の作り方がわかれば,演習問題がカバーしていない部分を自分でフォローすることができる。いずれも,後の勉強の効率に関わってくる。

そういうことを考えると,101の試験は余裕をもって受けて,しっかりと問題観察をしてきたい(私は30分で解き終わって,30分ぐらい問題の傾向の観察に時間を取った。)。

最後のひとりごと

世間では楽勝とかいってるけど,暗記が苦手な私にとっては疲れる作業だった。これは挫折する人が絶対に存在すると思った。

各種情報は,頭が良い・記憶力がある・苦痛に対する感性が高い・努力ができる余裕のある人・技術が趣味,のいずれの要素を持つ人が書いているに違いない。これを何一つ満たしていない私には厳しい試験だった。

試験を受けた帰りに本屋でコマンドリファレンスやLinuxの入門書を確認したら,かなりの部分が試験で既に暗記したものであることに気付いた。短期間でこれだけの知識量を詰め込めるようにできているという意味では,あずき本とこの試験のセットは非常に効率的な学習教材なのだと思う。

しかし,勉強中のストレスは非常に大きかった。そのため,得られた成果にうれしさを感じられない。。。。当然,これでLinuxが好きになれるわけもない。