昔作った問題(5)逆向きの文章題その2

二次関数の文章題に,需要関数を言葉で与えたときの売り上げ最大化の問題がある。数量をx・価格をpとしたとき1円値段をあげると売り上げが10円下がるという関係があるとき,pとxは定数aを用いて

 x = a-10p

と表す,というのが初手である。しかし,個人的には言葉からいきなりこの式を出すのはあまりに天下り感があるように見える。こういう問題を出してしまうと,覚えてきてるかに結局はなってしまうか?ということになる。それを避けるために作った問題。

問題

(以下,実際の試験は高校生風の書き方。)

文化祭での焼きそばの売り上げの最大化について考える。価格をp(単位は円), 売れる数をxとする。このとき,pとxの間には次の式が成り立っている。

 x = 200 - \frac{1}{2} p

このときの焼きそばの価格と売れる数xの間に成り立つ関係について「焼きそば1個の価格」「売れる数」「10円」の3つの単語を使って説明せよ。

まじめな背景

普通の文章題では実質的にdx/dp = k を実質解かせていることになる

1円あがったら10売り上げが下がる,は実質的に

 
  dx/dp = -10

を解けといっているのと同じである。まじめに考えれば微分方程式なので高1ではない。

また「1円上がったら」という書き方で問題を書くと,何か関数を離散値で考えないといけないようにみえる。結局は連続で解かないと面倒だから連続で解くし,数値設定が整数になるように問題作るし。

さらに,価格と数量が一次関数の関係で書けるということは,任意の価格や数量でこの変化率が維持されているということも暗黙に仮定されている。

しかし,こういった小骨がひっかかるような部分を暗黙にしれっとやるのもちょっと嫌。また,こういった話を全てすっとばしてこの文章題を出題すると,ただの暗記問題になる。よって,この手の問題の立式はさせたくない。それを回避するためにこういう問題の出し方をしている。

元文系としては独占っぽい話をしたい

pかxかどっちか1変数消去して解くのだけど,暗黙のうちにpを通じてxはコントロールできてるとか,逆にxを通じてpをコントロールできてるかいう話はしたい(がしない)。要は,pが動かせるというのは暗黙に独占を考えてるという話なんだという話もしたい(がしない)。

出身学部では良くされてた話で

重要関数とか供給関数が与えられたときに,その係数(文字係数も含む)が何を意味してるかわからずに計算してる,という人があまりに多いので,式がどういう設定を意味してるかは強調しておきたいよね,という話がよくあった。なのでまあこういう問題は思いつきますよね,といったところ。