某社6年の算数教科書をみながらなぜデータを並べ替えてから処理しない?と思う(3) 度数分布表

以前の記事の続きである。某T社の教科書の話。

ドットプロットを描いたあとは、度数分布表に整理している。2時間扱いである。

表に整理することで1時間、読み取りが1時間という時間配分になっている。

データの再掲

ソート前

小屋Aのデータ

53 48 58 63 65 58 53 56 58 57 60 55 67 50 62 57

小屋Bのデータ

50 63 54 74 63 45 54 67 60 47 68 52 57

ソート済

小屋A

48 50 53 53 55 56 57 57 58 58 58 60 62 63 65 67

小屋B

45 47 50 52 54 54 57 60 63 63 67 68 74

表にする前に普通は・・・

とりあえず、手書きでやってたらすぱっと線を入れる。以下、区分は以上・未満で45kgから5kg刻みで刻んでいる。

小屋A

48 | 50 53 53 | 55 56 57 57 58 58 58| 60 62 63 | 65 67 |

小屋B

45 47 | 50 52 54 54 | 57 | 60 | 63 63 | 67 68 | 74 |

これから度数分布表を作るとこんな感じ。

重さ(g) 小屋A 小屋B
45〜50 1 2
50〜55 3 4
55〜60 7 1
60〜65 3 3
65〜70 2 2
70〜75 0 1
合計 16 13

並べ替える前のデータから度数分布表を作るよりはるかに楽。だって、左から順番に区切りごとに数数えて写す(ただし0が入る階級には注意)だけなんだから。

そして、以下の感じで縦に並べて置いたらさらに楽

48

--

50

53

(実際に自分で手作業するとすぐわかる。私が手作業したものは何かに使うかもしれないので今は略。)

指導事項と関係ないことは削いでほしい

ここの項、以上・未満も同時に指導しようとしている。よって、境界上のデータがやたらに何回も出てくるのが気になる。ここでつまづいて度数分布表が書けないというのは統計の単元の趣旨には反する。

並べ替えをせずに、表に正の字を書き込む方式の場合は場合さらに悲惨である。以上・未満の判定を、数値をみるごとに何回もしないとならない。それだけでかなり疲れる。以上・未満の演習にはなるが、統計の演習からすると無価値な演習である。

度数分布表が想定する連続データの文脈では、境界をどうとっておくかはどうでも良いことなので、あえてそういうデータが出てこないようにするというのが教育的配慮である。ここで、以上・未満が正しく仕分けできなくてもこの単元のねらいからすると何も問題ない。

こういうとこで「統計はめんどい作業だけで苦手」というのを量産してどうするんでしょうね?意味がわからない(大人の事情はわかるが。)